【ブログ】5Gスマートフォンについて考える
初めまして。
21世紀プランニングの小川と申します。
今回、私が感じた5Gスマートフォンの現状について記事にしたいと思います。
さて弊社では『事業基盤整備コンサルティング』として、モバイル通信設備の無線通信基地局に関する業務を行っております。昨今にはコロナ禍によるネットワークビジネスの拡大や、スマートフォンの高機能化等にも伴い、大量のデータを高速で通信するニーズが高まっています。
特にスマートフォン機器は、第5世代の移動通信システム『5G』が展開され始めて記憶に新しいところですが、そもそも、5Gとは何を指すものなのかご存じでしょうか。
突き詰めると難しい話になってしまいますが、簡単に言えば、大多数の方がイメージしていらっしゃるように『とても速いインターネット』となります。
―――では、どれほど速いのかというと。
まだまだ主流の第4世代『4G』で運用されている機種の現実的な下り速度は30~50Mbpsです。これは1秒間に30~50メガで通信されているということですが、対して「5Gの最大速度」を検索してみましょう。
すると、最大速度が10Gpbsと謳っていたり、あまつさえ平均1Gpsの速度が出るかのような記事が目立ちますね。
『1Gps』といえば1,000Mpbsに相当します。
『10Gps』は10,000Mbpsです。
つまり、4Gスマートフォンと比べて5Gスマートフォンは『平均20倍の速度差』があり、10Gpsになると『最大200倍の速度差』です。
これは、例えば、120分の映画一本を最高画質でダウンロードした場合のデータ量が5GBなので、1秒~5秒程で映画一本をスマートフォンの中にダウンロード出来てしまうということ。ひえーっ!!
これは、凄いですね。
凄すぎますね。
―――と、普通は思いますね。
私も、そう思っていましたから。
しかし……。
いざ私が5Gスマートフォンを入手し、仙台駅周辺や5G基地局付近で計測したところ「100Mbps~300Mbps」が現実的な下り速度となっておりました。
おやおや。
考えていたよりも、遅いじゃないか……?
と、お思いでしょうが……これは致し方ないお話だったりします。
5Gの基地局が需要の多い大勢の人が行き交う場所に設置されている場合が多いことや、5Gの電波自体が遮蔽物に弱く、遠くまで届かない仕様のために、理想値と比べて大幅に落ち込んでしまうのです。ただ、同様に人が密集していた場合、4Gスマートフォンではネットで極端な遅延が発生したり、最悪『圏外』となってしまう可能性があります。
そこにおいてはさすが『5G』というべきか、途切れることなくネット通信が可能なうえ、そもそも、下り速度の100Mbps~300Mbpsは4Gと比べて約2倍~6倍の高速通信出来ること自体が凄いと感じるところです。
総合的に見て5G通信は「凄い」と感嘆させられます。
しかし、ですね……。
少しばかり不満が……いえ、とてつもない不満な点が二つほど。
それは上述した5G電波の特性上、致し方ない、必然な話なのですが。
一つは5Gの電波は第四世代(4G)の電波と比べて遮蔽物に弱く、基地局自体のエリア範囲が非常に狭いため、5Gスマートフォンでありながら5Gの接続範囲が限られているということ。
まあ、これについては、5Gの基地局数が少ないため購入する前から分かっていたので許容していましたが、本当の不満はもう一つの問題にあります。
もう一つの問題、それは。
5Gの電波を少しでも受取ったスマートフォンは5G受信状態となってしまうため、5G基地局とどれだけ距離が遠かったり電波が微弱であったとしても、5Gの電波を優先的に受信待機状態となり、4G未満の速度となってしまうということです。
最悪、5G通信状態なのにインターネットページが開けないという状況に陥ります。
分かり易くいえば、スマートフォン上は『5G』で電波をキャッチしているのに、インターネットに一切繋がらないということですね。こうなると、スマートフォンを再起動しても、インターネットのオンオフをしても意味はありません。
とにかくスマートフォンは5Gの電波が近くにあるから受信したいのに、実際は5Gの電波を完全に受信できず、ネットが通じないという……。
特に都市部では、5G基地局が点々と設置されているため、少し離れた位置にいるだけで5G受信状態且つネットに接続されないという状況になりがちです(実体験)。ホントに使っていると欠陥のように思えるけどなんとかならなかったのかこれ。
……まあ、あることをすれば回避する方法がないわけではないのですが(これは意外と知らない人が多いみたいです)。
お使いのスマートフォンの設定にもよりますが、ネットワーク設定画面から「5Gに接続しない」を選択すると上記のような事態は避けることが出来ます。5Gスマートフォンなのに本末転倒とか言わないでください。
しかし、これらの問題についてはキャリア様も把握しているようで、5G状態で通信できなくなる状況を解消するように動いているとのことでした。
まだまだ5Gは浸透していない世の中ですが、5Gスマートフォンの速度や最新スマートフォンのスペックの高さには驚かされます。
これからどのように変わっていくのか、どのように進化していくのか、いちユーザーとして、楽しみにしたいと思います。